橋本病(慢性甲状腺炎)
橋本病は、甲状腺ホルモンの分泌が低下する甲状腺機能低下症の1つです。
頻度
甲状腺機能低下症の原因で最も多く、30〜50歳代の女性(男女比は1:10〜30)に多く認められます。
病態
甲状腺の自己免疫性疾患であり、甲状腺組織にリンパ球が浸潤し、甲状腺濾胞上皮細胞の障害が起こり、結果として甲状腺ホルモンの産生が低下します。
症状
易疲労感、無気力、うつ症状、記憶力低下、体重増加、寒がり、便秘、脱毛などが出現します。また、血液検査上、総コレステロール、LDLコレステロール値などが上昇します。
検査
抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体のいずれかもしくは両方が陽性になります。
FT4・FT3が低下し、TSHが上昇します。軽度の場合は、TSHのみ上昇する事もあります。
治療
甲状腺ホルモンの補充療法を行います。また、ヨウ素過剰摂取(昆布やひじきなどの海藻類、ポビドンヨードうがい薬など)が疑われる場合は、ヨウ素摂取の是正も必要です。