甲状腺結節
甲状腺にできた「しこり」を意味し、増殖した細胞の種類により分類されます。
頻度
人間ドックや集団検診における超音波検査において、甲状腺のしこり(結節)が偶然見つかる頻度は、約20%にも及びます。しかし、その中で「がん」である頻度は約3%程度と少なく、多くのものが良性の結節です。
種類
下記の様に分類されますが、大部分は良性である腫瘍様病変や良性腫瘍です。
甲状腺がんの中では、乳頭癌が90%以上、濾胞癌が5%程度と、大半を占めています。さらに、乳頭癌と濾胞癌は進行の遅い腫瘍であり、10年生存率は乳頭癌で90%以上、濾胞癌で85%以上と予後の良いがんです。
腫瘍様病変
腺腫様結節、腺腫様甲状腺腫
良性腫瘍
濾胞腺腫
嚢胞 など
悪性腫瘍(がん)
乳頭癌(甲状腺がんの90%以上)
濾胞癌(甲状腺がんの5%程度)
髄様癌
低分化癌・未分化癌
悪性リンパ腫 など
検査
血液検査(甲状腺機能検査、自己抗体、サイログロブリンなど)。
甲状腺エコーで、結節の大きさ、形、内部の状態などを確認し、定期的な観察を行っていきます。大きさの変化や性状などから精査が必要と考えられる場合は、結節に細い針を刺して細胞の性質を調べるエコー下穿刺吸引細胞診検査が必要となりますので、検査可能な医療機関をご紹介しています